両生爬虫類
カエル好きやねん
基本的な聴覚特性
基本的に両生爬虫類は低音側に感度をもつ.
具体的には 1 kHz 以下周辺芋高い感度を持つ.
だからといって,超音波領域に感度がないわけではない.
例えば,渓流にすむカエルなどは,渓流ノイズを避けるために
高周波側でコミュニケーションをとるように進化した.
耳の形についても,両生爬虫類は耳介を持たないことで知られている.
また,鼓膜をもつものも限られており,加えてほとんどのカメと一部のカエルなどは鼓膜が露出している.
哺乳類の耳小骨とは違い,両生爬虫類は1つの耳小骨と耳小柱しかもたない.
爬虫類は,耳小柱がいくつかに分岐し,複数の経路を鼓膜とつないでいる.
また,両生類は鼓膜からの振動に加えて,前脚と上肩甲骨からの骨伝導が内耳へ伝達する.
他にも,一部のカメは水中からの音を反響増幅させるために中耳腔が大きくなっていたり,
一部のカエルは肺や口腔から反響する音を内耳から聞き取る種も存在する.
カエル
カエルの鳴き声は主に繁殖期にお互いのコミュニケーションをとるために使われる. 例えばオスはトリル音で広告音を出すことで求愛の合図をし,メスはそれより遅いトリル音で解除音を出すことで求愛から逃れようとする. このクリック音は,例えばアフリカツノガエルの場合は,喉頭筋が収縮することによって発せられる. 喉頭筋は二対が粘着質の体液でくっついているが,これが互いにはがされるときに空気が破裂することで クリック音が鳴る. このクリック音が鳴嚢で増幅され,共鳴することで外界に放送される.
- 広告音
基本的な機能は,求愛によってメスを呼び寄せることと,オスを排斥することである. これはどちらかしかない場合も,両方の機能を持つ場合もある. 例えばメスが超音波を聞くことができない種のカエルは,オスを排斥する効果しかない. - 解除音
他のオスから繁殖を求められたときや,排卵の準備ができていないときに発する. ほとんどの場合,これで放免される.平和だ - なわばり
例えば他のオスへの攻撃開始の合図であったり,他のオスの広告音を遮る役割がある. メスは広告音が聞こえない場合はなわばり音に引き寄せられるらしい. - 危難音
捕食者に捕まった時に発する音だが,危険の合図には役に立たないらしい. 捕食者を驚かせることしかないらしい.それでええんか
こうした発声を見るとわかるように,カエルの発声はオス・メスに限った話ではない. さらに,繁殖の際に鳴くメスの種類も存在する. しかし,一般的にメスの発声はとても小さい.これは,オスのみが鳴嚢をもつためである. メスの求愛音声は,一般的にオスからの応答という形で発声するため, 広範囲に伝達する必要がないことが理由だと考えられている.
ところで,カエルといえばコーラスである. 一般的にコーラスはカエルの広告音である. カエルは基本的に鼓膜をもつので,周囲の音を聞きながらコーラスをすることができる. このコーラスは,個体同士がなるべく鳴き声の重複を抑えるように鳴く傾向にある. これは同種の個体がたくさんいる状態でも同じ現象が確認でき, 完全でなくとも,互いの広告音に混ざらないように互いの広告音をずらして鳴く傾向にある. これは,集団の中で個々のオスが自分の存在を知らせる役割や, オス同士がけん制(なわばり)する役割があるらしい.
カエルに限った話ではないが,低周波音ノイズに埋もれないことや, 盗聴を防ぐなどの役割から超音波を使ったコミュニケーションを使うことがある. また,音源定位などの問題もある. つまり,カエルなどは頭が小さく,両耳に届く音の音圧差などが測りにくい. しかし,超音波を使って音源定位をすることで,可聴音よりも精度をあげることができている. 先に話したクボミミニオイガエルは,超音波を用いてコミュニケーションをとる. 普段の聴覚は 5 – 7 kHz にピークをもつが,耳管を閉じると なんと 10 – 34 kHz にシフトする.すげー
ヤモリ
ヤモリは鳴く. 多くのヤモリは声帯の振動を口腔で増幅することで音を発しているが, 例外的にスキンクヤモリはしっぽを使って音を出す. ヤモリはオスメス両方鳴き,その種類は2つである.
- 危難音
主に捕食者に襲われたときや,種内での闘争時に発する. 低周波であったり,高周波であったり,周波数にばらつきはある. - 反復パルス音
反復パルス音が何に使われているかは普遍的なことは分かっていない. しかし,例えば一部の反復パルス音はなわばり誇示,求愛,つがいの選択などに使われることが分かっている. また,この音圧も非常に差がある.
ヘビ
ヘビは鼓膜をもたず,耳が完全にふさがっているが,顎から振動を感じることができる. この振動が内部に存在する内耳を直接振動し,リンパ液の振動へ変換される.