分子
可聴化
可聴化という分野があるらしい.
視覚的に得られる情報よりも聴覚的に得られる情報の方が意味をもつことがある,みたいな考えがあるらしい.
機械の異音をベテランが察知するみたいなかんじだろうか.
たしかに聴覚はいろんな情報を一度に受容できる,みたいな話は聞いたことがある.
視覚と比べてインテグラルに情報を得ることができる,という意味だと思うが,
得たい情報によって話が変わるような気もする.
ガイガーカウンタはこうした可聴化の試みの一つ.
ガイガーカウンタは放射線物質が崩壊するときに飛んでくる粒子や電磁波の個数をカウントするもの.
高い電圧が印加されたガスに放射線が通過するとガスが電離するので,それによって生じた電子で放射線量を
測定する.
このとき通過した放射線量をパルスの音に変化すれば,音の粗密で放射線量を
聴覚的に知ることができる.
エネルギーとはまた別で,単に個数を数えている.
他にもヒッグス粒子の出現と配置を音に変換したものも存在するらしい.
(soundcloud)
どうやって変換するのか,みたいな変形部分の考え方で色々議論があるらしい. 今回の分子の音も可聴化に関すること
分子の可聴化
基本的に,分子などの固有の振動スペクトルを,人間の可聴領域に転置するという方法でやる. 分子の振動はナノメートルの単位で振動しているが,これを耳に聞こえる範囲でどう可聴化するか, という部分が問題になる. 読んだ本では振動スペクトルを鍵盤の 88 鍵に割り当てていた. あとは聴かないとわからないので,可聴化のプロファイルよりは分子のどの部分に差が出るのか, みたいなことを見ていく
ところでこういう可聴化の音楽ってカリビアンな感じのが多い気がするんだけどなんか理由があるんだろうか.
血液型
血液型は ABO 型が見つかってからいくつも見つかっているが,まだこの ABO 型がよく知られている. 血液型の違いは,赤血球の表面から出ている糖鎖の構造の違いで分類されている. 糖鎖にある接合部にA遺伝子がくっつくか,B遺伝子がくっつけば,それぞれA型・B型になる. 両方くっつけばAB型,両方くっつかなければO型になる. この結合(スフィンゴ糖脂質というらしい)に差異があらわれる.
アミノ酸
そもそもタンパク質はアミノ酸が多重結合したもので, 中心の炭素にカルボキシ基(COO-), アミノ基(HH3+) が結合し, いろんな側鎖が結合して違いが生まれる.
いろんなアミノ酸があるが,人間に必要な必須アミノ酸(9つ)は体内で生成されない. 体内にはタンパク質を構成しているアミノ酸の他に細胞や血液に蓄えられた 遊離アミノ酸というものがある. これはタンパク質の製造にアミノ酸が足りないときに無理やり引っ張ってこられるアミノ酸であるが, クオリティが低いのでいろんな不調につながる.へえ~~~~~~~~~~~~
アラニン
アラニンは筋肉とかアサリっていう印象がある. 酒を飲むとアルコールが摂取されるわけだが,これは肝臓で分解される. アルコールが脱水されるとアセトアルデヒドになり,これがさらに酢酸, 酢酸がさらに炭酸ガスと水に分解される,という順番. このアセトアルデヒドが二日酔いになるらしいが,これの分解を促進するのがアラニンというものらしい.
細胞の死に方
細胞は死ぬが,これには二種類ある. アポトーシスとネクローシスというふうに言われている. ネクローシスは化学的に細胞が死ぬことで,外部的な要因が大きい. 一方で,アポトーシスは,細胞にプログラムされた細胞死のことである. このアポトーシスは,最終的にマクロファージに食べられることで達成されるが, このためにはマクロファージにシグナルを出して気付いてもらう必要がある. このシグナルを伝達するのが Raf や Ras というものらしい. 例えばがん細胞が死ぬのもアポトーシスだし,胎児の指が発生するのもこのアポトーシスによる (胎児は指がくっついているが,アポトーシスによって指の間の細胞が死に,指ができる).
血栓
血管中の壁などが損傷し,コラーゲン繊維が露出すると,血小板が癒着し, 活性化され,他の血小板を集めるためにセロトニンを放出する. これらが凝固すると傷口がふさがれるが,これが血管内で起こると血管内で血栓ができる. また,セロトニンは血管の収縮も一緒にしてしまうので,さらに血栓を促進する. このとき,セロトニンの活動を抑制するのがアンプラーグと呼ばれるものらしい.
なんかただの生物化学になってしまった
(参考: 荒井曜 分子の音)