植物
植物と振動
植物が振動に伴って成長速度を変化させることは知られている. 例えば,ロイヌナズナは,モンシロチョウの幼虫による葉の摂食を,振動を通じて認識している. これにより,化学防御物質を出すことで,防御反応を示す. これは,風や他の昆虫の振動では全く反応しない. また,食虫植物とかは振動で獲物を獲得している.
こうした攻めの検知以外にも,例えば羽音を聞いたら,花蜜を積極的に増やすこともある. こうすることで,花粉の輸送を促進する. また,コウモリに花粉の輸送を依頼している植物は,その超音波を検知している. 特に,この検知に特化して受け皿(皿葉)をもっている
機械感覚
例えばオジギソウは,摂食があると反応する. こんなかんじで,機械刺激を感じることができる. ヒマワリが太陽の方を向いたり,海岸沿いの近くに生えた木は風下に向かって伸びるなどもこれ.
植物が発する振動
植物は acoustic emission という,ある事象により振動を発生させる特性を持つ. 植物は日中,気孔を開いて蒸散を行うことで,中の水ポテンシャルを低下させる(水の量みたいなかんじだろうか). これにより,内部では水ポテンシャルの低下に伴って負圧が発生し,根っこから水を引き上げる. このとき,例えば水やりを急にやめたりすると,その負圧に耐え切れず,気孔から空気を入れるようになる. すると内部で気泡が発生する.これをキャビテーションという. この気泡が急速に成長するにしたがって, acoustic emission が起こる. これを見ることで,植物がどれだけ水が通りやすいか,みたいなことを感知することができる.